マインドフルネス(瞑想)の勧め

当コラムでは、自動化やデータ活用など、デジタル技術の話を取り上げることが多いですが、当社のホームページには随所に禅語を使った説明を入れておりますように、皆様への支援の中では、禅による学びを取り入れて活動しております。

一度、このテーマを取り上げてみたいと思っておりましたが、ちょうど雑誌「プレジデント」の2022.9.16号で、「瞑想」が取り上げられましたので、書いてみたいと思います。

 

マインドフルネスという言葉は、座禅による瞑想と同義ではないですが、小異はさておき、瞑想の効能は日常生活からビジネスまで、様々あります。しかし、禅の指導者からは、「為の禅はない」とお叱りを受けますように、瞑想は何かのためにやるものではなく、瞑想による自己変革が様々な行為に良い影響があることもあると考えていただければと思います。

 

マインドフルネスという言葉が有名になったのは、1つはアップル社のスティーブ・ジョブズが長年、禅道場に通っていたという話や、Google社が社員向けに瞑想を取り入れたSIYSearch Inside Yourself)というトレーニングプログラムを展開したところ大人気となり、FacebookMicrosoftなどでも広まったということが話題になったこともあると思います。

しかし、国内には各所に曹洞宗や臨済宗のお寺があり、坐禅会を開いているとこも非常に多くありますし、座禅を続けるためのグループもたくさんあります。谷中にある「全生庵」には、安倍元首相や中曽根元首相も通っていたという話も有名です。

このように、マインドフルネスや瞑想がどんな効果があるかということはさておき、多くの人々が支持しており、何かを成すことにつながる何かであることは感じることができます。しかし、成果を出すかどうかは自分自身の問題であり、マインドフルネスや瞑想自体の効能ではありません。

 

瞑想による効果以外に、禅を極めた方々が残してくれた気づきを活用させていただくことも非常に有効です。このような気付きは「禅語」という形で流通しており、様々な書籍でも紹介されております。以下に、私が当社の支援活動で常に意識している禅語を4つ説明します。

 

l  照顧脚下 : 他に向かって理屈を言う前に、まず自分の足元を見て自分のことをよく反省すべきであるとの教えです。確かに課題の多くは自身の中にあり、答えもまた足元にあることが多いです。

l  一体一如 : 何事も対象と一体になるくらい没入できていれば為せるという教えです。商売でも自分の都合ではうまくいきませんが、お客様と一体になりお客様の側に立てば問題が見えることも多いです。

l  百尺竿頭進一歩 : 百尺の竿の先に達しても、なおその上に一歩を進もうとするという教えです。すでに努力・工夫を尽くしたうえに、さらに尽力することが独創性につながると考えます。

l  全機現 : 自己の持つ機能をすべて発揮し、働くことにも一杯の茶を飲むことにも常に全力投球することです。しかし、このような状態は、社員や設備、時間やお金などが有機的に調和するようマネージメントできていなければ実現しません。全機現を経営理念に取り入れておられる会社もしばしば見かけます。

 

コンサルティング事業を始める前、私はISKコンサルティング株式会社の経営塾に参加し、飯塚保人塾頭から指導を受けました。経営の原則といった知識に加えて、禅的思考による意識改革により、少しは皆様のお役に立てるような人材になれたとも感じております。また、ISKコンサルティングでは、経営前研究会という経営者が集まる坐禅会も開いており、坐禅会を通して他社の経営者とも交わる機会もいただき、経営の難しさなどに触れることもできました。

 

そのため、当社の指導の土台には禅的思考があります。また、支援に伺うとき了解が得られれば、指導を始める前に椅子に座ったままで行う形ですが、5分程度、瞑想することも取り入れております。ご興味があれば、是非、ご一報ください。

 

経営前研究会 : https://www.keiei-zen.com/73054/

 

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ケイデンスコンサルティング合同会社 

 

代表社員 川下敬之